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 技術・技能教育研究所・森 和夫ホームページ 




熟練者が獲得した能力とは何か






森 和夫  技術・技能教育研究所


 熟練者達はどのようにして技能を獲得していくのだろうか。仮説モデルを描いてみた。
誰でも初心者の時はある。初めは@にあるように初めての経験をする。[条件1]のもとで[方法行為1]をすれば、[結果1]を得る。やがて複数の経験を経るとAにあるようにさまざまな条件下で、数々の方法行為を実践し、複数の結果を味わう。
さらに経験をするとBにあるように、経験の群が生まれる。例えば個々の条件としてではなく、条件群として捉えるようになる。いわば群の発生である。さらに経験を積むと、Cにあるように概念化が起こる。個々の経験は薄れて、ある考え方、ものの見方が生まれてくる。
そして、熟練した者は作業全体をある概念として捉え、記憶する。Dにあるようにもはや個々の経験は見えない。しかし、作業はどんな条件下でも最適、最短、安全、適切対応で仕事を行うようになる。





このようにして獲得した、最高度の技能はある構造をもっている。作業概念は次の4つで構成される。ひとつは「場の概念」である。その作業環境、仕事場がどうあればよいか、どんな状態にあるかをすぐさま判断できるのである。
2つは到達目標概念である。製品の仕上がりや、完成像、仕様、品質などについて明確なイメージを描くことができるのである。目標概念は同時に評価概念でもある。常に現状を評価しつつ、目標にどのように近づいているかをチェックすることができる。
3つは空間上の運動概念である。どのようにアクションすれば良いかを時系列で認識し、行動できる。手足、体の運動と制御を適切に進行させる、そのような概念ができている。
4つは手段と時間の概念である。これは行動の企画と言うことができる。作業計画、工具・設備稼働計画、資材計画、人的配置計画、トラブル防止対策など・・・段取りと呼ばれる分野を意味している。これが獲得される。



熟練者達はこれらの概念を経験によって獲得していると考えられる。
技術・技能伝承ではこれらを従来よりも早く獲得させることが命題となる。なぜなら、従来と同じスピードで習熟していたのでは、次代の技術・技能を開発したり、対応する時間がなくなってしまうからだ。
筆者の開発したSAT(Skill Analysis for Training)技能分析表はこの熟練者の作業概念を記載して、伝わりやすくしたものである。








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※詳しくは「3時間でつくる技能伝承マニュアル」をご覧ください。