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 技術・技能教育研究所・森 和夫ホームページ 




訓練用技能分析手法SAT

Skill Analysis Method for Training
これまでにも多くの技能分析法がありますが、教育を目的とした技能分析は多くありません。
これを当初からのターゲットにして開発した分析手法がSATです。
この方法を活用すればSJTに効果的にリンクさせて学習・指導が効果的に展開できます。











[作業の全体像] この項目は最も書き上げが難しい部分であろう。どのようにして全体像を伝えるかが明らかでないと書き上げられない。しかし、重要度は高い。経験によれば、全ての項目を書き上げてから記載することが良いようだ。簡潔に全体を知るには作業の最終のねらいとそれに至るまでのプロセスの要点を書く。そして、このときの動きの背景にある科学的なポイントを簡単に示すことで全体が理解できる。


[仕様・図面] 図面を完全なものだけ記載するよりは、簡潔な概念図のようなものと併せて記載すると理解が容易である。仕様については必要な機能や要求項目を明確に示すことである。

[作業条件] この内容は従来と同様に道具、材料、その他の環境要件について記載することで目的は達成できる。

[能力要件] 事前に学習すべき内容をこの技能に限定して記載する。場合によってはこの課題の1つ前の課題内容を記載しておけば一般に理解が早いようである。

[カン・コツ] これまでに「カン・コツの表現と表記の仕方」について実践した結果、文体と記載方法を改訂することがよいと考えられる。「何をどうする」と書いた後に、[   ]の中に幾つかの要素を列記するのである。第三者が見て理解できる文章であることは言うまでもない。
熟練者に対する質問の際に利用していた質問内容リストは表のように行った。




[技能の科学化(カン・コツの科学化)] この項目は新たに追加した。カン・コツだけでは記載が甘くなるので、「技能の科学」 にまで踏み込んで明確に記載できるように欄を設けている。作業の根本部分には技術・技能の本質が含まれているので記載することで理解が早まるし、応用・発展が期待できる。技能にある合理性は人間の工夫で生まれた最適化意識の成果でもある。この合理性に必ずある科学的裏付けを明示することでやり易さも伝えることができる。

[作業概念・段取り] この部分は作業の全体像と同様に、一定の経験や熟練度がないと記載できない。「何がつかめればうまくゆくか」「この作業は一言で言えばどんな作業か」などと質問して得られるものがこれに該当する。段取りについては準備からかたづけに至るまでの計画と作業中の段取りが何であるかを明確に記述できると良い。[評価基準と改善] 新たに追加した項目である。評価基準を従来は図面上で表していたが、評価の要点が書き上がっていないと評価しづらいので独立させた項目で記載するようにした。また、チェックの結果、失敗であればどのようにして改善できるかも記述していないと、学習者は方向の手がかりすら見えない場合があるので、これを書くように設定した。



技能分析手法については図書「人材育成の見える化下巻」をご覧ください。
人材育成の「見える化」下巻 ~実施・評価編~ ちらしは→こちら
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■多くの企業にとって社員は「人財」であり、「人財」を育てる「人材育成」は重要なプロジェクトである。しかし、教育プロセスが「見える化」できないなどの理由から、有意義な教育になっていないのが現状である。本書はあらゆる読者に対応しており、仕事中心で実務的に書かれている。人材育成の問題を把握し、最適な方法や展開のしかたをわかりやすく解説している。
■目次
Chapter 1 教育ツールのつくり方、使い方
Chapter 2 教材をつくる(プリント教材、プレゼンテーション教材、技能マニュアル)
Chapter 3 講義指導をする
Chapter 4 OJT指導をする
Chapter 5 技能指導をする
Chapter 6 技能教育道場をつくる
Chapter 7 付録「役立つ人材育成ツール集②」の使い方と実例


 ※詳しい目次は→ こちら