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 技術・技能教育研究所・森 和夫ホームページ 




暗黙知明確化の方法論





暗黙知はそのまま放置していただけでは暗黙知のままである。
暗黙知を明確化する理由はそれをわかりやすく伝承するためだ。
ここでは暗黙知を明確化して技能伝承に役立つように整理する方法を紹介する。




■暗黙知はどこに潜んでいるのだろうか。図のように仕事を分けてみよう。
■仕事には多くの作業がある。作業には行動が伴い、行動は動作の集合で成り立っている。動作にはカンコツが含まれている。このように単位が小さくなるほど暗黙知は含みやすくなる。




■暗黙知をとらえるにはいくつかの方法がある。
 第1は行動の仕方を映像でとらえる方法である。
 第2は作業時間記録や作品評価でとらえる。
 第3は計画書や記録の分析である。
これ以外にもあるが、主な手がかりとして有用なのは映像記録だ。




■暗黙知は作業者自身も気づかないものから、よくわかっているものまである。
■これらを引き出すには作業者にインタビューで聞き出すことが良い。
■本人に語らせるだけでは、気づかない部分までを明らかにすることはできない。インタビューで役立つのが映像記録である。映像をストップさせて、インタビューするのである。
■図のように映像記録とインタビューの2チャンネルを使うことでよりよく引き出せる。作業者の考え方、とらえ方等を質問する。




■暗黙知の明確化にあたっては、図のように作業ビデオを撮影することから始める。
■簡単な作業の場合には、映像を見ながら「作業手順書」を作成する。
■複雑な作業の場合には、作業者と共に映像を見ながらインタビューをする。
■このインタビューの経過をさらにビデオ記録を撮影して、後で再生しながら「技能分析表」をつくる。
■「技能分析表」と動画を用いて技能マニュアルを作成する。




■もしも、職場に「作業手順書」がある場合は、暗黙知学習に必要な内容を補えば、「技能分析表」になる。次の内容をインタビューで聞き出せば、なかなか良い技能分析表になる。
 作業の意味
 作業の目的・意義
 作業形態
 作業条件
 標準作業時間
 使用する道具・工具・設備
 作業手順
 作業のカン・コツ
 技能の科学
 関連情報
 数値情報
 判断基準・尺度
 写真・静止画
 イラスト
 動画




■インタビューのやり方についてみてみよう。
■会場のレイアウトは図のように設置する。熟練者とインタビュアーが向かい合って座る。この他にパソコンの入力をする者が必要だ。作業手順書をプロジェクターで投影しておいて、エクセルの隙間を空けながら、インタビュー結果を入力する。入力結果が良いか悪いかを熟練者に確認してもらいながら進める。
■プロジェクターを2台使用すれば、動画とエクセルを2画面で表示して作業を進めることができる。




■実際に実施している様子を写真で紹介しよう。スクリーンは手前側にある。


■左が動画、右がエクセルの2画面を使用する。



■さて、インタビューの進め方のエッセンスをまとめたものが図である。
 〇作業全体の概要について説明してもらう
 〇具体的な到達目標を明確にしてもらう
 〇特に難しいポイントを話してもらう
 〇不明確な表現、発言、省略事項を正す
 〇デジタル数値にしてもらう
 〇詳しく言語化してもらう。擬音語や比喩を網羅する
 〇イラストで説明してもらう
 〇電子黒板に書かせてプリントする
 〇疑問点、不自然な作業について確かめる
 〇細かな作業の仕方も具体的に説明を受ける
 〇小さな動作も見逃さない
 〇疑問を持ちつつ、好奇心を持って聞いていく。



■動作、方法、段取り、判定・判断・・と明らかにする
■質問項目表を手がかりにしながら聞く
 何を見たか、どこの部分を見たか
 何を見ようとしたか、どう見ようとしたか、手がかりは何か
 何を聞いたか、何を聞こうとしたか
 どう聞こうとしたか、手がかりは何か
 どのように動かしたか、いつ動こうとしたか
 どのように動こうとしたか、なぜそのように動かしたか
 いつ始めて、いつ止めたか
 動かし方は何がポイントか
 何を話したか、なぜ話したか
 何を訊ねたか、何を判断したか
 何を思い浮かべたか、何を決断したか
 調査している内容は、何を探索したか
 何を手がかりに診断したか・判断したか









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■目次
Chapter 1 教育ツールのつくり方、使い方
Chapter 2 教材をつくる(プリント教材、プレゼンテーション教材、技能マニュアル)
Chapter 3 講義指導をする
Chapter 4 OJT指導をする
Chapter 5 技能指導をする
Chapter 6 技能教育道場をつくる
Chapter 7 付録「役立つ人材育成ツール集A」の使い方と実例