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 技術・技能教育研究所・森 和夫ホームページ 





大学教員に求められる職業能力


大学教員の能力・資質にかかわる諸問題
大学の良さを発揮する上で、構成する教員の能力・資質の水準が重要な要件であることは疑いもないことである。今日、大学をめぐる議論が活発に行われている。国立大学においては独立法人化にともなう、大学の体制・体質の変革が要請されている。また、私立大学では近年の少子化の影響を受けて整理統合が予想されている。この情勢は教員に対する要請、要望も多様化することになる。これらを背景にして、これまでの教員のあり方に対する批判や反省が起こってきている。これはとりもなおさず、大学教員としての人材育成を充実させることと無縁ではない。これまでの取り組みの中で大学教員の能力開発という視点はあまり見出すことができない。この理由として教員は個々の専門性が極めて高く、その専門性を高める機会も十分にあり、なんらかの特別の取り組みは必要ではないと考えていることによると考えられる。通常、教員の評価は業績でされる。評価の具体的な内容は、@研究業績=著書、論文などの成果物、A社会的活動=学会活動、委員会、講演などの活動、B大学管理運営への貢献C教育業績=講義担当内容、公開講座内容などである。研究業績を出すには当然ながら一定の能力・資質が必要になる。しかし、大学教育を修了することや研究業績を出し続けることで能力・資質があると考えるが、それだけではあるとは考えられない。

大学教員の主要業務を整理してみると図1のようになる。




ここでは4つの業務として整理した。第1は大学の機能を発揮させる業務である。機関として、組織としての大学を推進する業務である。大学の置かれた社会的使命を成立させる機能を担う。第2は学術研究をする業務である。個人的関心であれ、社会的要請に応えるものであれ、学術研究を行う機関はそれほど多くはない。大学人としての教員はこの立地・特性を生かして進めるものである。第3は学生指導をする業務である。学生指導に含まれる内容は多種多様であるが、大きな業務は学生達が社会人としてその専門性を生かした有為な人材に育つことであろう。そして、第4は社会的活動をすることだ。社会や団体に対してコミットすると共に、その社会、団体を支援する。大学が社会に開かれているかどうかは単に情報公開ばかりでなく、これらの活動によることが大きな要素である。


さらに細かく分けて図式化してみよう。図2は33項目で整理してみた。それぞれ単独で見てゆくこともよいが、ここでは主に関連性で見るように工夫してみた。類似関係は近い距離に配置してある。例えば研究と指導に就いてみてみよう。両者は近接して配置してある。、それらを企画する部分にカリキュラムがある。研究内容は指導内容に反映する。研究所の研究員と大学の教員との違いは学術研究と学生指導が近接して進行できる環境が整備されていることである。





大学の使命は大学の有する教育理念を具体化することだ。教員は大学に所属する以上、この働きと隔絶することはできない。図7は大学の理念の実現はどのような環境のもとで行われるかを示したものである。



図の下側にあるような対象者からの要請に対して「共同・作業」「発案・提言」「調査・研究・開発」「教育指導」の4つの活動を行う。大学保有する有形、無形の財産は「環境・施設設備・情報」「人的資源」「経営・管理体制」にある。これらを活用して応えていくことになる。とりわけ人的資源は重要である。職員・教員の持つ個々の力量を向上させなければならない。ここに教員の能力開発の必要性が鮮明に読み取れる。




詳しくは下記の論文をご覧ください。
テーマ別PDF論文集まとめ [ 指導者論、指導方法論、大学教育FDは→こちら ]

2004  大学教育の改善をめざした実践的・体系的FD活動の方向  大学教育研究ジャーナル誌 第1号、単著
2002  大学教員に求められる職業能力と能力開発プログラム構築の試案−FD活動の機能と能力開発とのかかわりの検討を中心に−  
徳島大学大学開放実践センター紀要 第13巻、単著
2001  リカレント教育ニーズに対応させる大学開放事業のあり方 −徳島地域人材育成ニーズ調査結果の検討から−  
徳島大学大学開放実践センター紀要 第12巻、単著