看護OJTリーダーの仕事と必要能力
森 和夫 技術・技能教育研究所
看護現場でOJTが成果を上げていなかったり、全く実施していないところもあると聞きます。病院によってはマニュアルを作成し、指導担当者を決めて推進しているところもあります。でも、プリセプターマニュアルを見る限り、指導者となる看護師の力量によって大きな差を生じることが十分予想されます。プリセプターの教育はどこかで受けたのでしょうか。多くは、先輩のやり方を見習うということでやり過ごしているというのが実態ではないでしょうか。看護ばかりでなく、ものづくりの現場でも同様のことが起こっています。どんなに良い環境であっても教育を実施する指導者に問題があるのでは成果は半減してしまうでしょう。
この本では看護職場でのOJTリーダーは、何が出来て、何を知っていなければならないかをまず、明確に示すことにしました。このために、リーダーの仕事の分析に基づいて内容を厳選しました。図1は「看護OJTリーダー」資格が認定する職業能力を示しています。
(到達水準A:◎>B:○)
・ 職場教育の役割と機能について知っている ◎
・ 教育の意味、意義と方法について知っている ○
・ 看護婦の仕事を分析し、必要能力の抽出ができる ○
・ 看護能力の評価ができる ◎
・ 部下指導の基本を知っている ○
・ 部下指導ができる ○
・ 評価に基づく指導実践ができる ○
・ OJTとは何か、特徴と効果的な進め方について知っている ◎
・ OJT教育のPDCの実際ができる ◎
・ 成果を挙げる教育の原理・原則を体験を通して知っている ◎
・ OJTを一人で実践できる ◎
・ 教材研究と教材開発ができる ◎
・ OJTの改善ができる ○
教育実践のノウハウとその実行
・評価に基づく指導実践ができる
・OJTとは何か、特徴と効果的な進め方を知っている
・OJT教育のPDCの実際ができる
・OJTを一人で実践できる
・成果を挙げる教育の原理・原則を体験的に知っている
・教材研究と教材開発ができる
・OJTの改善ができる
教育の意義と機能
・職場教育の役割と機能について知っている
・教育の意味、意義と方法について知っている
看護の仕事分析と評価
・看護婦の仕事を分析し、必要能力の抽出ができる
・看護能力の評価ができる
部下指導
・部下指導の基本を知っている
・部下指導ができる
この内容は図2に示すような4つの分野から構成されています。第1分野は教育の意義と機能についてです。看護OJTリーダーとして活動する上での根幹を成す考え方を示しました。第2分野は看護の仕事分析と評価です。指導する仕事内容を分析し、明確化させ指導と評価に結びつける分野と言えます。第3分野は部下指導です。部下の扱い方や部下指導の考え方をもとに実践する部分として位置づいています。第4分野はOJT指導のための実践的な部分です。教育実践のノウハウについて看護OJTリーダーとしてのエッセンスを集中的に習得することが含まれています。ここでは読者が基礎看護教育を受けて、看護婦として勤務し、何年かの経験の中で得たものを基礎にOJTを展開することを前提として書いています。
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