本文へジャンプ 本文へジャンプ

 技術・技能教育研究所・森 和夫ホームページ 


クリニカルラダー作成の方法

森 和夫






ラダー作成の考え方
第1は評価しやすいことである。誰が評価しても評価しやすいものでないとならない。(実用性)
第2はそのラダーに必要な項⽬を網羅していて、落ちがないことである。(内容妥当性)
第3は誰が評価しても、同⼀⼈物に対しては同⼀の得点が与えられることである。評価者間で評価結果にブレがないことだ。(信頼性)
第4はラダー作成を短期間で開発できることである。いかに良いものでも数年もかかっていたのでは意味がない。(短期開発)
第5は評価結果を教育研修に反映させやすいことである。ラダー評価は適切な教育研修を企画・実施するためにある。(教育への反映)






クドバス手法を使う
• CUDBASは、A Method of Curriculum Development Based on Vocational Ability Structure の略称である。職業教育で養成しようとする⼈物の能⼒を書き出し、それらを構造的に整理し、有効なカリキュラムを開発しようとしている。CUDBASの適⽤は短期間研修カリキュラムでも、⼤学のような長期間教育のカリキュラム開発にも可能である。
• カリキュラム開発の方法として開発したものであるが、この他の用途にも広く利⽤できる。漠然としている概念や、考え⽅、理念などを整理し、構造化することが可能である。このことから、クドバスは発想法として利⽤されることが多くなった。クドバスはカリキュラムの要である目標設定を行うので、この機能を人材評価や機関評価、施設評価に適用している。





クドバス手法とは
• 1990年に開発した。1989年、労働省を中⼼に、PROTSという指導技術訓練システムの開発に着手した。これは海外で技術指導にあたる指導者のための指導技術訓練システムを開発しようとしたものである。この全13巻、63時間にわたるセミナーに必要な資材・指導教材を4年がかりで開発した。その一部にクドバスがある。
• クドバスはカリキュラム開発の⼿法の名称。セミナーは各地で好評を博し、世界30カ国以上で採⽤され、展開している。中でもクドバスは⽇本の企業内教育で⼈気になり、現在でも各地で実践されている。
• カリキュラム開発では、大学、専門学校などで活用されているが、最も得意とする分野は企業内教育、院内教育、研修プログラムの開発である。今週、CUDBASを実施して来週に研修の実施も可能だ。






CUDBAS⼿法の特徴
• 早くできる
• 手続きがシンプルで簡単である
• 小集団による意思決定による
• 第一人者であれば説得⼒がある
• 記録が残る
• 応用範囲が広い
• 仕事分析の方法として並ぶものがない












ラダー作成の進め方
○ラダー作成の組織をつくる

• 教育委員会にクリニカルラダー作成の組織をつくる
• 人数は5〜8⼈程度でよい。
• 組織が幹事になって推進する。
• 組織は「依頼」「実施」「改訂」「評価」の⼀連の流れを計画し、実施する。
• 評価・分析が完了したら解散する。

○いつ作成するか
• 早くても6ヶ月以内に合意を得るラダーを完成させる。早ければ1ヶ月程度で作成できる。
• 夏から冬にかけて作成し、評価を実施する。
• これに基づいて翌年度の教育計画を1月までに公開できるようにしたい。







ラダー作成の進め⽅
○どんな⽅法で作成するか
• CUDBAS⼿法を⽤いる
• 委員による企画・計画を作成する
• 作業の準備をする、もの、⼈、時間を⽤意する
• 能⼒項⽬リストを作成する
• 結果を修正し、評価出来る項⽬をつくる
• トライアルによって正しく機能するかを検証する
• トライアル結果から修正した項⽬を成案とする

○教育計画への反映のさせ⽅
• 各病棟で上司評価と本人評価をする
• 集計・統計処理する
• 上司と本人と話し合って得点を確定する
• 分析して教育計画に反映させる






CUDBAS⼿法による 項⽬リストの作成の仕⽅
• 作業⽅法は⼩集団活動によって展開し、明確にしようとする職業⼈についてよく知る5〜6⼈で作業する。構成員は多⽅⾯から集めるとよい。
• まず始めに、名刺⼤のカードに「〜を知っている」、「〜ができる」、「〜の態度がとれる」という3つの語尾の⽂章を記⼊する。
それぞれは、知識、技能、態度を表している。そして、参加者の書いたカードを、すべて類似カードや独⽴カードなどに分類する。それらは仕事の動く単位でまとめて群とする。
• これらの群を重要度によって階層化し、群の中味のカードも階層化させる。このようにして、縦に仕事内容を重要度の⾼い順に並べ、
横に能⼒カードの重要度の⾼い順に並べてマトリクスを完成させる。
これでクドバス・チャートが完成する。
• これらをリストとして構成し、クリニカルラダーに採⽤する。ラダーにするには評価項⽬として妥当性・信頼性があるかで再度検討
して、修正するとよい。







ラダー完成に必要な時間
ラダー作成作業を6ヵ月間で完成することをめざします。
① 打ち合わせ、⽇程確認と準備(2時間)
② CUDBAS⼿法による能⼒項⽬リスト作成の実施(7時間)
③ 能力項目リストの第1次点検・修正(6時間)
④ 能力項目リストの第2次点検・修正(6時間)
⑤ ラダートライアルの実施
⑥ トライアル結果による能力項目リストの第3次点検・修正(4時間)
⑦ ラダーカテゴリーによる構成(4時間)→完成






 
 ←こちらもご覧ください

 









ラダー作成に関する情報




日総研主催セミナー




「口腔ケアエキスパートナース」のクドバス・チャート(抜粋)







----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

※森 和夫 略歴
職業能力開発、産業教育学・労働科学を専門とし、産業界を中心に活動。ライフワークは「技の上達」、博士(工学)。現在は技術・技能伝承、人材育成等のセミナー・講演の他、企業との共同研究、コンサルテーション、出版活動を行っている。現職は株式会社技術・技能教育研究所代表取締役。
主な経歴は東京農工大学教授(〜2006年3月)、徳島大学教授(〜2004年3月)、職業能力開発総合大学校教授、助教授、講師(〜2000年3月)。学会活動は日本産業教育学会、日本人間工学会、人類働態学会、日本教育心理学会などで活動。海外活動はJICAよりマレーシア、ガテマラ共和国、ボリビア、フィリピンに海外短期派遣専門家として派遣され技術教育の指導者養成を実施した。




■詳しくは下記の文献をご覧ください。
人材育成の「見える化」〈上巻〉企画・運営編―「何を」・「誰に」・「どうやって」
森 和夫 (著)  価格: ¥ 3,150 JIPMソリューション



Amazonで購入できます。