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 技術・技能教育研究所・森 和夫ホームページ 



ラダー項目の書き方

森 和夫






■ラダー項目を書くのは意外と難しいものです。簡単に書くことはできても、評価ができないことは多くあります。

■ラダー項目は能力項目です。能力以外は記載しないことです。能力項目の内容は、知識、技能、態度の3種類で構成します。

■一般にチェックリスト作成にあたっては、①妥当性、②信頼性、③実用性の3点が確保される必要があります。
①妥当性があるということは、そのラダーに必要な能力項目が全て書き上がっていることです。逆に不要な項目は入っていないことです。
②信頼性があるということは、誰が評価しても、評価にブレがなく一致するということです。内容や意味の解釈が一致できることです。
③実用性があるということは、時間も準備もいらないでできる等、評価が容易であることです。

■原則として「行動目標」を記載します。行動目標は評価対象者がどのような行動がとれるかを具体的に記述するものです。一般に動詞が重要とされて記載方法を述べているものが多いのですが、むしろどのような条件で何をどうすることか、その判断基準は何かを書くことが大切です。

■「誰が、誰に、何を、どのように、どの程度、どこまで、何によって、何を用いて、どうする」と書かれると明瞭になる。

■評価するときのことを考えると、
「何を用いて」「いつ」「どんな場面で」・・・・「どうする」があると良い。
 
看護記録、10月第2週、申し送り、・・・・・・・観察する

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具体的な記載の仕方
(1)意味がとれないもの 
→主語+述語+目的語は明瞭に書く。
(2)能力を記載する 
→~できる、~知っている、~態度がとれる。
(3)人によって解釈が違わないようにする 
→曖昧さは評価をブレさせる。定義を書くとよい。(  )で補足する。
(4)長文であるものは意味や筋が見えなくなる 
→短くして明瞭に書く。
(5)1項目には1つの能力を記載する 
→複数の項目の記載は避ける。
(6)概念を明瞭にして具体的に書く
 →漠然とした言葉、一般用語は避ける。具体的に書く。抽象的な内容は解釈が曖昧になる。
  ×観察する、×検討する、×報告する、×管理する、×対処する、×コミュニケーションする、×寄り添う、×看護倫理
  ×看護過程、×確認する、×調整する、×看護ができる、×主体的に、×振り返り、×考慮する、×環境整備する

(7)「正しく」、「間違えず」、「適切に」などの用語は入れない。
(8) 回答の基準が不明確で判断できないもの 
→必要であれば「条件・基準・行動」を入れる。
(9) どの項目も「3」の判断になってしまうもの 
→幅が出るように直す。優れた人はどのような状態かを書くと良い。
(10) 「1」か「5」の判断になる 
→幅が出るように直す。易しすぎる場合はレベルを上げて判断事項を入れる。
(11) ケースバイケースによって判断が変わるもの 
→ケースを限定する。







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森 和夫 略歴
職業能力開発、産業教育学・労働科学を専門とし、産業界を中心に活動。ライフワークは「技の上達」、博士(工学)。現在は技術・技能伝承、人材育成等のセミナー・講演の他、企業との共同研究、コンサルテーション、出版活動を行っている。現職は株式会社技術・技能教育研究所代表取締役、一般財団法人 職業教育開発協会代表理事。
主な経歴は東京農工大学教授(〜2006年3月)、徳島大学教授(〜2004年3月)、職業能力開発総合大学校教授、助教授、講師(〜2000年3月)。学会活動は日本産業教育学会、日本人間工学会、人類働態学会、日本教育心理学会などで活動。海外活動はJICAよりマレーシア、ガテマラ共和国、ボリビア、フィリピンに海外短期派遣専門家として派遣され技術教育の指導者養成を実施した。

基礎研究とプロダクツの関連
 技術・技能教育研究所の研究は「技術・技能研究」「職業能力研究」「指導技術研究」の3分野から構成されている。これらによって技能習熟理論が構築され、能力構造論として集大成される。この内容の基盤にあるものは能力論である。この基礎研究から幾つかのプロダクツが生み出された。仕事分析手法CUDBAS、指導技術訓練システムPROTS、技能伝承システム、技能分析手法SAT、生産技術教育の方法理論、人材育成の見える化コンセプト、開発的指導法がそれである。これらのプロダクツは時代のニーズに対応して応用プロダクツを生み出した。社会で、企業で利用され進化することで、広大なアプリケーションが生み出される可能性を秘めている。









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