本文へジャンプ         本文へジャンプ        

 技術・技能教育研究所・森 和夫ホームページ 





キーワード解説
職業能力とは何か


森 和夫
   技術・技能教育研究所 





           

職業能力について考えを深めてみよう。
私達は職業に就いてその仕事を充分にこなすことができるとしたら、そこには職業能力があるという。
職業能力とは「職業の業務を遂行するに必要な力」のことを指している。





職業能力はどのように構成されているのだろうか。
人間の持っている力には生得的に持っている素質、経験や学習によって獲得する資質と能力がある。
資質は生きることに伴う力で、能力はある目的に対して備わった力と言うことができる。
個人はもともと持っている素質と資質、能力に加えて仕事で必要とする能力があれば仕事に従事できる。
職業能力というのは、図にあるように幾つかのコンポーネントを組み合わせて所有していると考えたい。
これらが職業に向けて一体化し、統合しているものと考えている。





職業能力には広がりと深まりがある。広がりは分野を示し、深まりは水準を表す。また、能力の種類は知識、技能、態度の3種類がある。
CUDBASでは「できる」「知っている」「態度がとれる」の3種類で能力項目を書き出す。
多能工を目指す向上の場合には、分野を広くとって、作業者の能力実態を明らかにすれば、多能工化には何を教育すれば達成できるかが明らかになる。





職業能力に関連するものとして個人特性があるが、図に挙げたものはCUDBASでは扱わない。
なぜなら、教育が困難であるか、当然の内容であるか、能力とは言えないものだからである。





職業能力と訓練の関係については図のように考えている。
訓練とは、個人の所有する能力群から仕事に関係する能力をピックアップして(編成)、不足している能力を学習させ(付加)、職業に向けて一体化させる(統合)の3つがある。

















 こちらもご覧ください。







       

 日科技連出版社から、「実践 現場の能力管理」を
 2020年8月に発刊。
 全国の書店、Amazon楽天ブックス他で購入できます。
 詳しくは日科技連出版社のホームページ
 


  2020年8月21日発売
  「実践 現場の能力管理
   ~生産性が向上する人材育成マネジメント~」


  目次

  まえがき
  本書の概要と使い方
  第1章 職場の課題と能力管理
  第2章 能力管理とは何か,その範囲と機能
  第3章 能力マップによる能力管理の方法
  第4章 作業指導による能力管理の方法
  第5章 能力管理の推進モデル
  第6章 能力管理の実際(事例編)


   A5版192頁、価格 2700円税別


■飛躍的な生産性向上を可能にする人材育成マネジメント手法「能力管理」を習得できる一冊!

 組織の維持・発展には、組織のもつ優れた技術・技能を他者に伝えることが欠かせません。組織が生み出す製品・サービスの品質を担保するのは、最終的には一人ひとりの技術・技能だからです。

 能力管理は、「保有する技能・技術を効果的な能力開発につなげることで、結果として個々人が能力を発揮できるような環境を整える」マネジメント手法です。かつては「誰に能力を管理する権限があるのだ?」と誤解され、ようやく使えるようになったのはつい最近のことです。

 本書は、体系化されたマネジメント手法としての能力管理を具体的な事例をもとに解説しており、すぐに現場(会社)で役立てることができます。

       















商品番号 17154-1
  クリニカルラダーを作成する方法
生放送オンラインセミナー 
※講義時間〈基礎編〉約
4時間〈実践編〉
約5時間
〈基礎編〉2021年10月17日(日)10:00 ~ 15:00
〈実践編〉2021年10月24日(日)10:00 ~ 16:00









※ラダーに関する情報は→こちら 

「看護人材育成」誌2016年4・5月号に、クリニカルラダーの記事を掲載。
「初めてでも安心!CUDBASを用いたラダーの作成・見直し方法」
 1. いまどきのラダーの動向と見直しの意義
 2. 見直さなくて済むラダーはどう作成するか
 3. 現行ラダーを見直して作成するにはどうする:か
 4. ラダーの備えるべき条件を実現する
 5. ラダー文章の改訂コンサルテーションの事例
 6. トライアルのコンサルテーションの事例
 7. 機能するクリニカルラダーを求めて
 


2019年6月、「看護人材育成」誌にクリニカルラダーと能力マップに関する記事を掲載。
充実した院内教育につなげる組織・部署にあわせたラダー作成~クリニカルラダーと能力マップが拓く院内教育の新しい姿~」








  ←こちらもご覧ください。

   



 




----------------------------------------------------

森 和夫 略歴
職業能力開発、産業教育学・労働科学を専門とし、産業界を中心に活動。ライフワークは「技の上達」、博士(工学)。現在は技術・技能伝承、人材育成等のセミナー・講演の他、企業との共同研究、コンサルテーション、出版活動を行っている。現職は株式会社技術・技能教育研究所代表取締役、一般財団法人 職業教育開発協会代表理事。
主な経歴は東京農工大学教授(〜2006年3月)、徳島大学教授(〜2004年3月)、職業能力開発総合大学校教授、助教授、講師(〜2000年3月)。学会活動は日本産業教育学会、日本人間工学会、人類働態学会、日本教育心理学会などで活動。海外活動はJICAよりマレーシア、ガテマラ共和国、ボリビア、フィリピンに海外短期派遣専門家として派遣され技術教育の指導者養成を実施した。

基礎研究とプロダクツの関連
 技術・技能教育研究所の研究は「技術・技能研究」「職業能力研究」「指導技術研究」の3分野から構成されている。これらによって技能習熟理論が構築され、能力構造論として集大成される。この内容の基盤にあるものは能力論である。この基礎研究から幾つかのプロダクツが生み出された。仕事分析手法CUDBAS、指導技術訓練システムPROTS、技能伝承システム、技能分析手法SAT、生産技術教育の方法理論、人材育成の見える化コンセプト、開発的指導法がそれである。これらのプロダクツは時代のニーズに対応して応用プロダクツを生み出した。社会で、企業で利用され進化することで、広大なアプリケーションが生み出される可能性を秘めている。









GINOUKEN Essential シリーズ(2021年版)は→こちら
技術・技能教育研究所の研究開発成果のバックナンバーから最新の成果までを収録
技術・技能伝承 、技能分析・マニュアル作成、大学教育FD・指導方法、 看護教育・クリニカルラダー、クドバス



技術・技能伝承論文集






森和夫・河村泉 著
能力開発の実践ガイド
15の教育ニーズから逆引きで使う
発刊:ジェイマック
日本能率協会コンサルティング
A5判、208ページ、定価2,940円(税込み)