キーワード解説
職業能力とは何か
森 和夫 技術・技能教育研究所
職業能力について考えを深めてみよう。
私達は職業に就いてその仕事を充分にこなすことができるとしたら、そこには職業能力があるという。
職業能力とは「職業の業務を遂行するに必要な力」のことを指している。
職業能力はどのように構成されているのだろうか。
人間の持っている力には生得的に持っている素質、経験や学習によって獲得する資質と能力がある。
資質は生きることに伴う力で、能力はある目的に対して備わった力と言うことができる。
個人はもともと持っている素質と資質、能力に加えて仕事で必要とする能力があれば仕事に従事できる。
職業能力というのは、図にあるように幾つかのコンポーネントを組み合わせて所有していると考えたい。
これらが職業に向けて一体化し、統合しているものと考えている。
職業能力には広がりと深まりがある。広がりは分野を示し、深まりは水準を表す。また、能力の種類は知識、技能、態度の3種類がある。
CUDBASでは「できる」「知っている」「態度がとれる」の3種類で能力項目を書き出す。
多能工を目指す向上の場合には、分野を広くとって、作業者の能力実態を明らかにすれば、多能工化には何を教育すれば達成できるかが明らかになる。
職業能力に関連するものとして個人特性があるが、図に挙げたものはCUDBASでは扱わない。
なぜなら、教育が困難であるか、当然の内容であるか、能力とは言えないものだからである。
職業能力と訓練の関係については図のように考えている。
訓練とは、個人の所有する能力群から仕事に関係する能力をピックアップして(編成)、不足している能力を学習させ(付加)、職業に向けて一体化させる(統合)の3つがある。
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