キーワード解説
技能研究の方法論
森 和夫 技術・技能教育研究所
技能研究を進めるにはまず技能者がどのような実態で行われているかを整理しなければならない。
筆者は下の図のように考えている。中央の円が人間である。それを取り巻いているのが場の状況・環境である。その一部分に材料・道具・機械がある。
この技能者はある意識、考え方のもとで行動する。そして、それは作業態度、判断に表れる。結果として見いだせるものは行動・運動・動作となる。一方、作業計画や段取りもある。最終結果は作品やアウトプットとなる。
これらをわれわれはどのようなチャンネルで捉えようとするかというと、次の図のようになる。みどりの矢印の6つのチャンネルを使う。
これまでの技能研究はこれらのいずれかを採用して行ってきた。最も多いのは行動分析、動作分析のたぐいである。これらは映像記録として残る。また、精神活動の推測をするやり方として生体情報を活用することもある。例えば呼吸数や心拍数、皮膚電位などである。
←こちらも参照ください。
←※こちらもご覧ください
詳しくは「技の学び方・教え方」をご覧ください。
これまでの技能研究の中から、技を学ぼうとする方々や教える方々にメッセージを送ります。
技を学ぶということを中心にしながら、さまざまなノウハウをブックにまとめている。
目次
第1章 技を学ぶとはどのようなことか
第2章 職人の技と生き方から学ぶ
第3章 技能研究でわかったこと-技が上達するとはどのようになることか-
第4章 作業段取りは技の中央制御室
第5章 機械の運転操作技能を学ぶ
第6章 技を伝えるには
第7章 技能の種類と学び方・教え方
第8章 高度な複合技能の学び方
脚注
あとがき