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 技術・技能教育研究所・森 和夫ホームページ 






遠隔授業で成功するには

大学をはじめとして学校などでは遠隔授業が行われている。
指導者はその進め方についてはそれぞれ、工夫しながら進めているのではないだろうか
ネットでは遠隔授業についてはパソコンや、システムについて書かれているものが多く見受けられる。
しかし、授業の構造から論じたものは少ない。本当のところこのことの方が大事なことなのだ。
遠隔授業で成功するには授業の構成、構造の検討が大切だ。

森 和夫  技術・技能教育研究所



遠隔授業で成功するにはどうするか?






遠隔授業の問題 
隔授業で問題となることを整理してみよう
当たり前のことですが、遠隔授業は遠隔で授業することです。
各地で多くの人がこれを体験し、困難にぶつかっていることでしょう。
遠隔授業の問題を整理した上で、成功する遠隔授業について考えていこう。




遠隔授業の問題を列記してみると・・・・・・・

■相手が見えない、もしくは画面でしか相手を確認できない
■臨場感が無い、間接的な場面となってしまう
■一方通行的に進めてしまう
■対話的な授業が進めにくい
■指導者は学習者に対面で指導できない
■互いに相手の存在をリアルに実感できない
■これまでの教室講義経験では処理できない煩わしさがある

しかし、これらの問題点は教室授業でも多かれ少なかれあるものです。
学生を見ないで、マイペースで話すタイプの教師は遠隔で無くても同じ問題を抱えているのです。



遠隔授業を行う環境の問題もある。パソコンで語りかけることの違和感は誰でも感じたことだろう。

■使用するパソコンやソフトウエアによって使い勝手が悪い
■操作方法になかなか、なじまない
■カメラに向かって話すこと自体が異次元となる
■授業の経過時間に対する現在地点を見失いがちになる
■見られている自分を確認できる~見せる自分をどう見せるかに意識がいく
■学習者対指導者という構図から逃れられない
■「共に考える」という姿勢ができにくい

慣れという以前に、このようなことに抵抗感のある方も多いのでは無いだろうか。





遠隔授業を検討しよう  
大学授業はもともと、ライブで行われます。遠隔による授業は放送大学、予備校、専門学校などで行われるようになりました。
テレビ講座、eラーニング、古くはラジオ講座があります。

遠隔授業とは①学習者と指導者が離れている、②メデイアなどを媒介にして教材がやりとりされる授業形態のことです。
遠隔授業で成功するには教室での指導との違いを明らかにし、できることとできないことを整理することで可能となります。

      

教室授業の場合は、学習者と指導者が同じ場にあり、教材を効果的に伝えます。
これに対して遠隔授業の場合には学習者と指導者が別の場にあり、教材を媒介物を介して効果的に伝えます。

どんな違いがあるでしょうか?
ここに多くの手がかりがあります。



遠隔授業の特徴と課題  
遠隔授業でできることとできないことを整理すると次のようになります。



○できること
 ①書いたものを見せる→書いたものを見る
 ②話す、聴かせる、指示する→聞く、聴く、動く
 ③話してもらい→聞く
 ④書いてもらい→見る


   

●できないこと
 ①全員の顔を見れない。反応の即時フィードバックができない。
 ②学習者相互の交流が難しい。
 ③共通の空間を持てない。
 ④教材の回覧ができない。



△遠隔の持つ特性として
 ①余計な会話や無駄話が無くなる。
 ②直接面談していないので、話しやすい。
 ③空間を共有していないので自然な距離感がある。
 ④学生の視聴条件が同一に揃っている。同じ角度、同じ視点、同じ音量で見ている。


本質は何か
・媒体の性質に制限を受ける。
・空間的隔絶感がある。
・時間軸で特定の媒体で進行するため全体が見えにくい。



やってやれないことはないが、手間がかかるもの
・討論
・学生同士の交流




遠隔授業のパターン 
遠隔授業でいくつかのパターンを紹介しよう。どれが良いか?ではなく、どれも使えるようにしておきたい。

スタイル 授業の進め方 特徴 準備すること
①講義まるごと集録型 黒板と語りを中心にした授業で、これを後方座席からビデオカメラで撮影して配信する方法。 ・ライブ感覚で集録することができれば評判は良い □しっかりした構成を組み立てておく必要がある
②e-Larning型
パワーポイントなどのプレゼンテーション資料を用意しておいて、講義者の顔と同時に画面に出して進行させる方法。 ・一見良さそうに見えるが、学生からの魅力は乏しい
・資料は定着できる可能性ある
□飽きさせない工夫、課題演習などを組み合わせていくこと
③素材活用型 多種多様な素材を準備しておいて、講義の進行に合わせて提示していく方法 ・計画的な構成、展開を仕組むことで良さが出る □素材の魅力と講義内容に合わせた展開がポイントになる
④対話型、演習型授業 数人の学生とオンラインで対話しながら進めていく方法で、大半の学生はそれらを聞く。 ・学生にとって身近に受けることが出来る □討議が主役になる。内容を学生の立場で深めることが大切
⑤ライブ感覚型 授業者と一緒に街中に出て、ビデオ集録した内容をポイントに合わせて使用していく方法 ・準備さえ良ければ、魅力的ではある
・押さえどころをパワーポイントで整理しておく
□施設訪問や職員へのインタビュー、主婦他へのインタビューがポイントになる
⑥テレビショッピング型 スタジオにゲストを招いて、売りポイントをたたみかけるような展開で、休みを与えない強力なプレゼンテーション方法 ・明瞭な狙いがあれば、それを中核にして印象づける □構成がしっかりとしていないと、無理押しの内容になってしまう
⑦ビュッフェスタイル型 素材を多種多様に用意しておいて、自由に選択させて学習させ、討論でまとめる方法 ・学生の多様な選択肢を大切にして討論に移る □素材の豊かさが大切、討論の持っていきかたに工夫が必要
⑧宿題活用型 前の回で示した宿題を1週間の間に提出させて予め分析をしておき、この結果を活用して展開させる ライブ感覚的に自分の意見をどう扱われるか楽しみになる □提出期限を決めておいて、かつ準備に工夫がいる

このようにしていろいろ工夫次第で遠隔授業も楽しみな時間になる。
指導者にどれだけの誠実さがあるか、サービス精神があるかが、分かれ目です。


遠隔授業の工夫の仕方 
オーソドクスなパターンから検討してみよう。教室授業の経験がある教師ならそれほど壁は高くない。
この場合、遠隔授業とは言いながら、遠隔らしからぬ姿で行われる。いわゆるテレビ大学講座のことです。
放送大学の映像をみればわかるが、工夫の無い場合には学習者の負担が高い内容となってしまう。

①講義まるごと集録型
黒板と語りを中心にした授業で、これを後方座席からビデオカメラで撮影して配信する方法です。
テレビ講座では黒板の代わりにフリップを用意して、提示しながら進めます。
パワーポイント画面を使って進行させることも良いでしょう。
何よりも持続する知的好奇心をめざします。
■一方通行的になることを防ぐには→途中でQ&Aやフリートークやアンケートなどを入れることでかなり違った姿になります
■学習者が授業の森の中でさまようことを防ぐには→時間軸を明瞭にして、講義の現在地点を常にポインティングするなどする
■興味の持続が続かなくなることを防ぐには→授業の構成が大切です。単調感を排除する工夫を入れます。謎解き、論理の展開、学習者が知りたいことを先取りする、課題で考えさせる、問題点を指摘させる、イラストや動画などを層に有する・・・。
■授業の達成感をーが感じられるようにするには→まとめとポイントを明示する、小論文で学習者にまとめさせる、今日のテーマの拡張性・発展性、応用について語る・・・・・
これらは工夫のほんの一部です。このような工夫次第で発展できます。

②e-Larning型
パワーポイントなどのプレゼンテーション資料を用意しておいて、講義者の顔と同時に画面に出して進行させる方法です。
この方法は指導者が「授業とは何か」の意味を理解しないと学習者にとって苦痛の時間となります。指導者目線で構成しているとしか思えないものが多く、失望したものです。教育の主人公は確かに教師ですが、学習の主人公は学習者です。教育や指導とは与えるべきものを与えるだけでは行われないと認識しましょう。
■指導者の顔だけの映像は意味があるでしょうか?→教材と指導者の関わりに意味があります。分離しない映像が欠かせません
■画面が固定されていて、「機械的に見せている感」がつきまといます。システムのあり方が問われます。
■このような条件設定ではプレゼンテーション教材に工夫が必要です。静的なものよりも動的な内容にチェンジするだけでも変わるでしょう。



つづく





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   ←こちらもご覧ください





徳島大学FDの歴史(2008年4月発行 発行者:徳島大学FD専門委員会)



授業評価アンケートによる講義の検討─ 2004年度前期調査結果の分析と提言─  
(大学教育センター 教育評価・FD 部門)


授業評価アンケートによる講義の検討(2) - 2004年度と2005年度の比較と学部学科別の検討を中心に-
(大学教育センター 教育評価・FD部門)


2005年、教育評価・FD部門 報告(東京農工大学大学教育センター)




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※森 和夫 略歴
職業能力開発、産業教育学・労働科学を専門とし、産業界を中心に活動。ライフワークは「技の上達」、博士(工学)。現在は技術・技能伝承、人材育成等のセミナー・講演の他、企業との共同研究、コンサルテーション、出版活動を行っている。現職は株式会社技術・技能教育研究所代表取締役、一般財団法人 職業教育開発協会代表理事。
主な経歴は東京農工大学教授(?2006年3月)、徳島大学教授(?2004年3月)、職業能力開発総合大学校教授、助教授、講師(?2000年3月)。学会活動は日本産業教育学会、日本人間工学会、人類働態学会、日本教育心理学会などで活動。海外活動はJICAよりマレーシア、ガテマラ共和国、ボリビア、フィリピンに海外短期派遣専門家として派遣され技術教育の指導者養成を実施した。

基礎研究とプロダクツの関連
 技術・技能教育研究所の研究は「技術・技能研究」「職業能力研究」「指導技術研究」の3分野から構成されている。これらによって技能習熟理論が構築され、能力構造論として集大成される。この内容の基盤にあるものは能力論である。この基礎研究から幾つかのプロダクツが生み出された。仕事分析手法CUDBAS、指導技術訓練システムPROTS、技能伝承システム、技能分析手法SAT、生産技術教育の方法理論、人材育成の見える化コンセプト、開発的指導法がそれである。これらのプロダクツは時代のニーズに対応して応用プロダクツを生み出した。社会で、企業で利用され進化することで、広大なアプリケーションが生み出される可能性を秘めている。





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